東京スカイツリーから見た富士山

所在地:東京都墨田区
訪問日:2019年12月12日
更新日:2021年2月2日

この日は急に思い立ってスカイツリーに登った.開業以来一度も行ったことがなく,これが初めての登塔(?)となった.平日午後だったので人もそれほど多くなく,当日券も並ばず買えた.展望台に着いたのが既に16時過ぎだったので,富士山以外の方角を見ているうちに日はほとんど沈んでしまった.次の写真は日没直後の富士山.

このときは空がすこし緑色に見えてとても面白かった.空の微妙な色は写真ではうまく表現できないことも多いが,上の写真はわりと見え方に近く撮れたように思う.

富士山自体は東京近郊の地表からでも見えるが,やはりスカイツリーの高さから見ると高尾や丹沢の山との位置関係がまた違って見えるように感じた.そして眼下の街には灯りがともりはじめ,一日のうちでこの時間にしか見られない幻想的な光景が現れた.

人間の目は適宜補正を行っているので,空も街もちょうどよい明るさで見えていたが,写真では街を黒く潰れないようにした結果空が必要以上に明るくなってしまった.露出の設定が難しい写真を撮るたび,人間の目の能力の高さに驚かされる.

やがてさらに空は暗くなり,街は完全に夜景になった.一方,遠くには富士山のシルエットがまだくっきりと残っていた.

スカイツリーから富士山と東京の街並みを同時に眺めると,富士山のスケールの大きさに改めて驚かされる.江戸の風景を描いた浮世絵に富士山が多く登場するように,江戸・東京の街は富士山という霊峰に見守られ続けてきたのであり,それは高層ビルが林立するようになった現代でも変わらない.